PhotoNicoコレクターインタビュー:鈴木雄二の場合<前半>
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最終更新日:2017/04/18
作品制作のヒント
作品を最初に買ったのはいつ頃ですか?
15年〜20年前くらい(正確にいつっていうのは覚えていないのですが)にテラウチマサトさんの作品を買ったのが最初です。
当初はもちろん講師という立場でもないですし、生徒にもなっていない時代で、単純にいちファンとして、コレクションするとかそういう気持ちもなく、純粋にあこがれみたいなところで購入しました。そのときは作品そのものというよりその作家さんが好きで、という感じでしたね。
テラウチマサトさんの作品は何作品か持っています。
弟夫婦にプレゼントしたりもしました。弟自身もそうですが、弟の奥さんが好きだったので。
鈴木さんにとって作品を買うということはどういうことですか?
単に作家のファンとして購入していた最初の頃と、気持ち的に今はずいぶん変化もしてきました。
今は、どちらかというともう少し応援する気持ちが高いですね。その作家さんが作品を表現していることに対して、「あ、こういう世界観がもっと多くの人に拡がったらいいな」というか、自分が買うことはつまり応援になるわけで、そうするとまた次の作品が生み出される可能性があるわけで。なんかそういう応援する感覚が当初よりは圧倒的に強いですね。
もちろん、ビンテージプリントみたいなすでに名前も知られているような作家さんの作品もあこがれというかリスペクトするというような、あの時代にこういうものを見せてくれてありがとう、みたいな価値観を提示してくれていたことへの感謝というか、、そういう基準値で買うものもありますが、それプラス最近はやはり若手のこれからなにか新しいことを見せてくれるような、そういう世界観の人たちを応援する気持ちが芽生えてますね。
購入作品を選ぶ基準はありますか?
そういう応援する気持ちは買う基準というものにも関わってくると言えるのですが、
でもどちらかというと作家さん個人に、というよりも作家さんが表現していることになにかそれを応援したくなるようなことがあれば、そういう方が強いですよね。それはけっきょく作家イコール作品となるかもしれませんが。その作品の世界観がもっと多くの人と共有できたら楽しいだろうなという思いが強いですよね。
そういう期待感から言うと、逆に一発屋みたいなたまたま撮れてしまったみたいなアイディア作品ではないところも見ていて、そういうのはあまり買いたくはないというか・・たまたま撮れた作品というよりは、その人の世界観や表現したいもの、価値観とも言えるとも思うのですが、そういうものがしっかり見えている作品を買うケースが多いですよね。その方が買いやすいとも思うんですよね。
写真作品以外にも買っているものはありますか?
今のところ写真のみですね。写真以外にも欲しいとも思ったりもしますけど。
まだ写真以外だとわからない点も多いというか共感の幅みたいなところでも今は、という感じですね。
写真は一方で現代アートの分野にも関わってくるじゃないですか、そういう近そうなところはいかがですか?
そうですね、写真も現代アートのジャンルもありますよね。そうすると現代アートを基準に置くと、現代アートの中でいろんな手法の内のひとつみたいな感じになってしまうので・・実は買おうとしたこともあるんですよ。でもそれは売り切れで買えなくて。ただその人の作品を写真に撮った作品は持ってるから、まぁ良いかなと。
<…後半に続く>
フォトニコ・ファイナル
展示するとともに、買ってみる・買ってもらうがどんな行為か経験してみること。締切を設定して制作すること。同じ方向性を向く仲間ができること。フォトニコに参加することで見いだせることは数多くあると考えています。継続して参加して頂いている方、過去に参加したことのある方、いつか参加しようと思っていた方、ぜひ今年もご検討よろしくお願いいたします!
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