SDカードについて その2:規格と処理スピードの実測テスト

公開日: : 作品制作のヒント

デジタルカメラ用にSDカードを選ぶ時、まず何を基準にするでしょうか?もしかしたら“信頼性”ということで、メーカーや商品から選ぶという場合もあるかもしれません。メーカーについては “その3” でお伝えしますが、デジタルカメラの場合、SDカードの容量=撮影枚数となるため、多くの場合はまず“容量”を決めることにあると思います。

そしてデジタルカメラの高画素化に伴い、処理スピードも注目されています。
これはたくさん撮る場合、容量とともに知っておくとよさそうです。

処理速度の規格は2つあり、SDスピードクラスUHSインターフェース とありますが、ここではSDスピードクラスを取り上げます。

SDスピードクラスはclass2、class4、class6、class10 の4種類があります。

  • class2:読み書き時のデータ転送速度が最低2MB/秒
  • class4:読み書き時のデータ転送速度が最低4MB/秒
  • class6:読み書き時のデータ転送速度が最低6MB/秒
  • class10:読み書き時のデータ転送速度が最低10MB/秒

上記一覧はどこでも見るものですが、いまいちピンと来ません。簡単ですが具体的な事例を挙げます。

【キヤノンEOS 5D mk3 記録形式JPEG(large fine)の場合】 1枚約5MBです。

  • class2のSDカードを使った場合、転送速度保証が2MB/秒なので書き込みに長くて2.5秒かかる場合があります。
  • class6では転送速度保証が6MB/秒なので書き込みに長くても1秒弱です。
  • class10は転送速度保証が10MB/秒なので書き込みに長くても0.5秒程度です。

1枚撮影するだけなら0.5秒~1秒の差をあまり感じないと思いますが、連写を想定するなら処理スピードの速いものを選ぶといいでしょう。RAW形式で撮影する場合データ容量はJPEGの4~5倍くらいなので尚更です。

また、デジカメで動画を撮る場合はメーカーはclass6を推奨しています。それはclass6以下の場合で動画撮影した時に、コマ落ちという現象、再生したものがカクカクしてしまうのを防ぐためです。

0328_01

でも、家電量販店にclass6のSDにカードはほとんど見かけません。あるのはclass4、その次はclass10です。おそらく価格差がほとんどなくなった為、メーカーもしくは量販店はこと細かくラインナップしていないのかと思います。

ちなみに、家電量販店のレジ前に並んでいるついで買いカゴのSDにカードはクラス表示がないか、class4程度なので、デジカメ用・動画用としてはオススメできません。以前は処理スピードの早いものは容量差以上に高価でしたが、現在はそれほど差がないのでclass10を選ぶといいでしょう。

実際にどのくらい違うのか、スピードクラス規格別の簡単なテストをしてみました。

  • 東芝 8GB class4
  • パナソニック 4GB class10
  • Transcend 32GB class10

・使用機材:キヤノンEOS 5D mk3
・記録設定:RAW+JPEG(large fine)
※データ容量はRAW:25.9 MB JPEG:5.25 MB およそ31MB

5枚連写して、データ書き込みが終了するまでの時間を測りました。
(赤ランプが点いてから、消えるまでの時間です)

0328_02

いかがでしょうか?今回上位機種である5Dmk3を使いましたが、入門機の場合は処理スピード以上に本体バッファメモリーがボトルネックとなります。最近は処理スピードの速いSDカードが値下がりしてきているので、入門機ほど処理スピードの速いものを選ぶと良さそうです。

次回は “その3:数あるメーカーの中でどれを選ぶ?” です。

※SDカードの正式名称は「SDメモリーカード」といいます。ここれは一般的な名称に習い、ここではSDカードとしました。(SDHCカード、SDXCカードも同様です)

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  • <2016年>
    ・点数:32点
    ・総額:365,200円
    (Tokyo Institute of Photography)

    <2015年>
    ・点数:191点
    ・総額:1,225,956円
    (渋谷ギャラリー・ルデコ)

    <2014年>
    ・点数:141点
    ・総額:1,233,925円
    (渋谷ギャラリー・ルデコ)

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