写真作品のエディション(edition)について
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作品制作のヒント
「エディションって何ですか?」「エディションはどうやって設定すればいいですか?」フォトニコ会期が迫って、このような問い合わせが来るようになりました。
写真は複製できるメディア
写真は複製できることが特徴といえます。でも、たくさん複製されたものが出まわった場合、作品を購入する側からすると 希少性 という価値・所有感が薄くなってしまいます。
油絵の肉筆画なら1点のみでしょうか。湯のみ・茶碗のような陶器であれば、釉薬や火の入り方の違いで同じものは出来ません。それぞれ「オリジナル」という価値があります。
そこで写真の場合「この作品は○○枚しか刷りません!」と宣言にあたるのがエディションです。(正確には「刷りません!」でなく、あらかじめその数を用意しておく必要があります。)
その枚数を1,000枚(ed:1,000)に設定したら希少とは言いがたいですね。一方、1枚にしたらどうでしょうか?
エディション設定するにあたり、様々な考え方があります。私の知る限り作家としての意識のある方の場合、作品エディションはだいたい一桁です。それも不思議と奇数、「ed:5」・「ed:7」・「ed:9」という数字をよく見かけます。
一方、複製制限を設けない「エディション・フリー」という考え方もあります。すべての購入者が希少性を求めている訳ではありません。
あと、売れるに従って作品価格が段階的に上がる「ステップアップ・エディション」という設定方法もあります。(「ステップ・プライス」と言うこともあります。)
実際のエディションについては、インターアート7 代表の 小林 貴 さんをゲストにお招きするイベント「クロストーク 海外・作家・販売」で話題になると思います。
また、招待作家として1Fで参加されるプリンター 遠藤 隆 さんに相談されてもいいと思います。
エディション豆知識
エディション・ナンバーは、紙の余白部分や裏面、プライスカードに「2/5」「ed:2/5」のように分数で記入されます。この場合、5枚限定の2枚目という表記です。
また、エディション(ed)の他に、「ap」も見かけます。apとは作家保存用の「artist proof」のことです。販売用のエディションの他に作家所有・保存用としているものがあるということです。
- ED (edition) 商用の限定部数
- AP (artist proof) 作家保存用
- TP (trial proof) 試作版
- CTP (color trial proof) 色校正用
- RTP (right to print) エディション刷りの見本、最終版
- AC (archive copy) 資料用保存版
- CP (cancellation proof) 失敗版
私の場合は
年に数件程度ですが、私の作品にも問い合わせがあります。そこで、エディションを設定したことはありません。つまり「エディション・フリー」の作品として販売しています。
作家・立場によって様々か思いますが私の作品を購入される方は、希少性をあまり求めていないように感じます。主にインテリアとして、そして 作家活動の応援として 購入してくださっているようです。
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